図書館にあるバリアフリー図書
図書館では視覚障がい者だけでなく、読書に困難を抱える様々な障がいを持つ方々に向けて、多様な図書の充実と読書支援サービスの拡充に力を入れています。点字図書はご存知の方も多いと思いますが、ここでは、大活字本やデイジー図書、LL本といった図書を以下で説明していきます。
大活字本
弱視の方や加齢などによる視力低下で活字を読むのが難しい方でも、文字が大きく拡大された「大活字本」なら、無理なく読書を楽しむことができます。小説、エッセイ、実用書など、幅広いジャンルの本が用意されています。
ディジー図書
視覚障がい者や読み書きに困難のある方でも、耳から情報を得ることができる「ディジー図書」。専用のプレイヤーで再生すれば、本の内容を音声で楽しむことができます。
また、「マルチメディアデイジー」というものもあります。PCやスマホなどの画面の文字に音声と同時にハイライトを付けるため、視覚と聴覚の両方から情報が得られ、障がい者の学習の面でも役にも立ちます。
LL本
スウェーデン語で「優しく読める」という意味の「Latt Last (レットレースト)の頭文字をとったLL本。フリガナを振った短い文章や絵文字、写真で作られていて、長い文章が読めない人や日本語がまだ得意でない人など、誰にでも分かりやすいように作られた本です。
点字図書について
点字図書は、視覚障がい者にとって読書の扉を開く重要な役割を果たしています。その点字図書の製作や、貸し出しの中心になっているのは点字図書館です。こちらでは、点字図書についての説明をしていきます。
点字図書とは
点字図書は、視覚障害者の方々が読書を楽しむために考案された書籍です。主に紙に凹凸を付けた6つの点で文字を表し、一般的な図書から児童書や実用書、さらに楽譜もあります。
点字の歴史
点字は、6つの点の組み合わせで表される文字体系であり、指先で触れることで文字を認識することができます。フランスで軍事目的に開発された暗号用文字を元に、1825年にルイ・ブライユによって今の点字の基礎がつくられました。ブライユは幼少時に事故で失明しましたが、点字によって読書や筆記が可能になり、後に点字の普及に尽力しました。
日本には、1890年に点字が導入され、その後、点字図書の製作、流通が徐々に整備され、現在では全国各地の図書館や点字図書館で点字図書の貸出サービスが行われています。
点字図書を支えるボランティア
点字図書は、ボランティアの方々の協力によって製作されています。
一般の書籍を点字に書き換える点訳作業は、パソコンを使ってカナ読みに直し、点字のルールに従って点訳ソフトで訳します。最後にそれを専用のコピー機で印刷し製本されます。
さらに、触る絵本という子供向けの立体的な絵本を作る作業もあります。完成した絵本は盲学校などに寄付され子供たちの学習などに役立てられています。
便利な読書支援ツール
図書館には本を読むための様々な支援ツールがあります。また、自宅で読書する時にも使える支援ツールもありますので少し紹介します。
・リーディングトラッカーやリーディングルーペ:読みたい行のサイドをかくして、文字を読みやすくするもの。
・携帯用拡大読書器:図書館に設置されている拡大読書器を、持ち運びやすい形にした小型の読書器。
・スマホで使える読み上げソフト:OCR‐pro、Envision AI、SeeingAIなどのアプリがあります。
・スマホの拡大機能:ほぼすべてのスマホに画面の文字を指先を使って拡大・縮小が出来る機能が付いています。
紹介した便利ツールはごく一部で値段もまちまちではありますが、ご自身にあったツールを選んでお使いになることをおすすめします。
さいごに
読書は、障がい者にとって必要な情報や知識を得る重要な手段です。障がいに関する情報はもちろん、社会一般の情報や、自身の興味関心のある分野の情報など、幅広い知識を読書を通じて得ることができます。読書を通じて得た知識や経験は、コミュニケーションの際に役立てることができます。
このように障害の有無に関わらず、誰もが読書を楽しむ機会を持てるよう、図書館の役割は重要です。
近年では、電子書籍などのインターネットを活用した情報サービスも充実させています。このように時代に合わせて図書館の有り方も変化しつつあるので、図書館で実際にバリアフリーな図書を手に取ってみることをおすすめします。
私どもメジャーサポートサービス那覇本社では体験や見学、問い合わせなどを随時受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。