障がい者の防災対策
ひとくちに障がい者といっても身体から精神まで様々な障がいがありますよね。まずは障害種別に関係なくやっておきたい防災対策をみていきましょう。
1. 避難方法の検討
まず最初に、自治体に申請することで災害時に必要な支援を受けられるようになる避難行動要支援者名簿に登録しましょう。登録には、本人や家族の同意が必要となります。
また、自分の住んでいる地域の避難所を確認しておく事も大切です。避難所は、バリアフリー化が十分でない場合がありますので、安全に移動できる避難経路があるか、車いす用トイレの有無、補助犬の受け入れが可能かどうかなども調べておくといいでしょう。
自宅待機が可能な場合は、水や食料、医薬品、懐中電灯やモバイルバッテリーなどを備蓄しておくと良いでしょう。抱えている障がいによってはさらに必要となる道具や介護用品があると思いますので、備蓄が可能な物であれば確保しておいてください。
災害が起きた際、実際に避難する手段を確保しておく事も重要になります。家族や友人が近くに住んでいる場合は協力をお願いしたり、自力で移動が困難な場合は福祉サービスや介護タクシーが利用可能かどうかも確認しておくといいでしょう。
また、普段からヘルプカードを持ち歩く事も重要になります。ヘルプカードには連絡先や障がい種別、何かあった場合の対応方法などを記載できますので、外出先で災害にあった場合など、周囲の人に助けを求めたい時に役立ちます。
最後に災害が起きる前に自宅の安全を保つための対策もご紹介します。
地震が起きた時に家具や家電が倒れたり落ちて来ると、自宅待機の時や避難時にとても危険です。地震から来る揺れで家にある大きな家具や家電が倒れないようにストッパーやジェルシートなどで対策しましょう。
2. 情報収集
自治体の防災情報やインターネット、NHKなどの公共放送の情報を活用して災害に関する情報を収集しておく事も重要です。災害発生時は電話が繋がりにくい可能性もありますので、家族や友人との連絡手段として何を使うのか、電話に替わる代替手段をどうするかを確認しておきましょう。
防災リュックに入れておきたい物
避難時に持ち出す防災用リュックは準備していますか?一般的に必要な物を入れておくのはもちろん、各障がいに合わせて必要な物があると思いますのでご紹介していこうと思います。
聴覚障がい
補聴器や人工内耳などの電池、筆談ができるようノートやペン・鉛筆などを入れておくといいでしょう。
視覚障がい
普段使用しているめがねやルーペ、音声時計の他、避難所で家族や友人を見つけてもらえるよう写真も準備しておきましょう。
知的・発達障がい
毎日服用している薬の他、薬の説明が記載されている物も入れておきましょう。
また、避難所では普段と違う状況で生活する事になりますので、普段、自分が日常的に心を落ち着かせるために使用している物や、周りの状況が気になって落ち着かない場合は耳栓やアイマスクなども入れておくといいでしょう。
自分の状況や伝えたい事を言葉や文字で伝える事が難しい場合は、イラストカードを入れておくといいでしょう。
肢体不自由者
車いすユーザーや補装具や杖などを活用して生活している方は、被災した時に自力で避難する事が困難な場合があります。助けが来た時すぐ避難できるよう、定期的に車いすのメンテナンスをしておきましょう。
また、避難所生活で使うための褥瘡(じょくそう)や床ずれ対策グッズ、携帯トイレや紙おむつなども準備しておきましょう。
内部障がい
障がい種別や程度によって対策方法は様々ですが、使用・服用中の薬や医療用具、お薬手帳や薬剤情報提供書、治療食や特別食を持参しておくと安心です。また、避難所についたらできるだけ早く医療機関に連絡してもらいましょう。
災害時に活用できる制度
障がいを持っていると避難する時はもちろん、災害が起きた後も生活に様々な支障がでてきます。その状況を補う事ができるのが災害時要援護者支援制度です。
この制度は、地震や台風などの災害が発生した際に、高齢者や障害者など、自力で避難することが困難な人々(災害時要援護者)に対して、自治体と地域住民が協力して支援を行う制度です。
対象となる方は身体障がい者手帳1・2級、療育手帳A・A1・A2、精神障害保健福祉手帳1級所持者と、障がい者福祉サービスを受けている難病患者が対象となっています。
支援内容は日頃の声掛けや安否確認だけでなく、災害が発生した際の避難経路の確認や避難場所の確保まで支援してもらえます。
地域の方と行政が連携して支援を行いますので安心して避難できますし、近隣の方とのつながりができるというメリットがありますので、活用したいという方はお住いの市区町村や福祉センターなどに相談してみてください。
各市区町村で制度の内容や手続きが異なるため、必ずお住まいの地域の情報を確認してください。
さいごに
災害はいつ起こるかわかりません。日頃から情報収集や備蓄などしっかりと準備しておくことが大切です。
また、周囲の人にも、障害者向けの防災対策について理解を深めてもらい、普段からお互いに協力し合える関係を築いていく事で、実際に災害が起きた時にスムーズに安心して避難できたり、仲間がいる事で心の支えになります。
私どもメジャーサポートサービス那覇本社では体験や見学、問い合わせなどを随時受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。