就労継続支援A型とB型の違い
就労継続支援A型とB型は、ともに障害者総合支援法に基づく就労支援事業です。
簡単に言うと、就労継続支援A型とB型は障害のある人を支援する法律のもと取り組まれている福祉サービスの1つとなります。
A型とB型と名称が分けられていることからも想像できると思いますが、この2つには違いがあります。
A型とB型の大きな違いは、雇用契約を結ぶか、結ばないかという点です。
A型は雇用契約を結んで働きますが、B型は雇用契約を結ばずに働きます。
なので、A型では一般企業と同様の『賃金』、B型では『工賃』が利用者に支払われます。
また、このような雇用形態の違いもあり、勤務時間も異なってきます。
A型は1日4〜6時間の勤務としている事業所が多く、契約内容によって週何時間働くかが決まってきます。
一方、B型は通所日数や時間数に制限はありません。
なので、作業量に合わせて工賃が支払われます。
このように雇用契約の有無と勤務時間に大きな違いのある就労継続支援A型とB型ですが、他にも違いがありますので以下でそれぞれの特徴を見ていきましょう。
就労継続支援A型とは?
就労継続支援A型は、障害のある方や難病を患っている方が一定の支援がある職場で雇用契約を結んだ上で働くことを可能にする福祉サービスです。
対象となるのは、障害や難病を抱える18歳以上65歳未満の人で一般企業への就職が不安、あるいは困難な方となります(条件を満たせば65歳以上でも利用可能です)。
利用者はA型事業所との間で雇用契約を結ぶので、基本的には最低賃金額以上の給料がもらえ、労働条件を満たせば雇用保険や社会保険への加入、有給休暇の取得もできます。
利用期間は、とくに定められていません。
そして仕事内容は、データ入力、Webサイト作成、製造、調理、梱包、ホールスタッフなど、一般企業でもよく見られる業務が多いです。
A型事業所での就労は、一般企業への就職を目指すための準備段階として活用できますし、一般企業への就職に至らない場合でも、安定した収入を得られるので社会生活を送るための助けになります。
就労継続支援B型とは?
就労継続支援B型は、障害のある方や難病を患っている方が一般企業への就職や就労継続支援A型での就労が困難な場合に、雇用契約を結ばずに軽作業などを通して生産活動の機会を提供したり就労に必要な訓練を行なったりする福祉サービスです。
対象となるのは、障害や難病を抱えている人で就労移行支援事業所などを利用したが一般企業などの雇用に結びつかなかった方、一定年齢に達している方、サービス管理責任者のアセスメントにより就労面の課題が把握されている方などです。
就労継続支援B型事業所では雇用契約を結ばないので賃金ではなく工賃として生産物に対する成果報酬が支払われますが、法律で定められた最低賃金額より下回ることが多いと言われています。
その代わりというといわけでもないですが、利用者が自身の障害や体調に合わせてマイペースに働くことができるので、業務をする時間や日数に決まりはありません。
また、A型と同じように利用期間にも定めはありません。
そして主な仕事内容は、軽作業や清掃、製造、加工、包装、接客、データ入力などが挙げられます。
就労継続支援B型を利用することによって、利用者は障害や体調に合わせて働きながら就労の経験を積み、就労に必要なスキルを身につけることで社会参加への一歩を踏み出すことができるようになってきます。
就労移行支援というのもあります
賃金や工賃が支払われるA型やB型とは別で『一般企業への就労を目指す』サービスとして就労移行支援というものがあります。
就労移行支援は、障害のある方や難病を患っている方が一般企業への就労を目指して必要な知識やスキルを身につけるための支援サービスとなっています。
対象となるのは、障害や難病を抱える18歳以上65歳未満の人で一般企業への就労などを希望する方となります(条件を満たせば65歳以上でも利用可能です)。
基本的に賃金や工賃は支払われません。
なぜなら、就労移行支援は障害や難病を抱える人の就労を支援するサービスであり、一般企業への就職を目指して必要な知識や能力を身につけるための訓練を行うのが主だからです。
ただし、就労移行支援事業所によっては利用者の希望や能力に応じて工賃を支払っているところもありますが、月額数千円から数万円くらいが大半ですので訓練の場として捉えるのが適切といえるでしょう。
就労移行支援を利用できる期間は原則2年間となっていますが、必要が認められた場合に限り最長1年間の延長が可能です。
ビジネスマナーやPCスキルの習得、仕事探しの方法や面接対策、社会生活上のスキル向上などの支援を受けることができます。
このようなサポートを行う就労移行支援は、障害や難病を抱える方が一般企業への就労を実現するために必要なスキルを身につけられる重要な福祉サービスです。
さいごに
就労継続支援A型とB型、そして就労移行支援は、障害や難病を抱えている人の就労を支援する重要なサービスです。
どのサービスが自分に合っているかは、障害の程度や希望する就労形態によって異なります。
自分に合ったサービスを選ぶには各サービスについて知識や理解を深めるだけでなく、実際に事業所や役所などに問い合わせをして話を聞いたり体験をしたりすることも必要になります。
なので、ある程度の情報収集ができたら問い合わせをしてみましょう。
その一歩が自立へとつながり社会参加を可能にします。
私どもメジャーサポートサービス那覇本社では体験や見学、問い合わせなどを随時受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。