A型事業所で在宅勤務をする条件とは?

そもそも在宅勤務とは?

そもそも在宅勤務とは?

A型事業所で在宅勤務をする条件を知る前に「そもそも在宅勤務とは何か?」について確認しておきましょう。
似たような言葉が多くあり、混同している人もいると思いますので、頭の中を整理してみてください。

在宅勤務とは

在宅勤務とは、従業員が『自宅』でインターネットや電話などの情報通信技術を活用して、出社せずに業務を行うことです。
つまり、『会社に所属している人』が自宅で業務を行うことを指すわけです。

在宅勤務とリモートワークの違い

在宅勤務とリモートワークは、インターネットや電話などの情報通信技術を活用して、オフィス外で仕事をするという点で共通していますが、在宅勤務はあくまでも従業員の就業形態を指すのに対し、リモートワークは業務形態を指すという違いがあります。

もう少し分かりやすく言うと、在宅勤務は、従業員が自宅で仕事をする就業形態であり、業務内容や勤務時間は事業所によって異なります。
一方、リモートワークは、在宅勤務だけでなく、カフェやコワーキングスペースなど、オフィス外(場所にとらわれない)で仕事をする業務形態のことです。
ですから、在宅勤務はリモートワークの一種に含まれます。

それから、在宅勤務、リモートワークと同じような言葉にテレワークもありますが、こちらはリモートワークと同じ意味となります。
違いとしては、リモートワークは民間企業が、テレワークは公的機関が使うといった点です。

A型事業所で在宅勤務をする条件とは?

A型事業所で在宅勤務をする条件とは?

A型事業所で在宅勤務をするには利用者が希望するのはもちろんですが、それだけで在宅勤務ができるわけではありません。
また、在宅勤務をすることで得られるメリットもあります。
では、どのような条件とメリットがあるのか見ていきましょう。

A型事業所で在宅勤務をする条件

A型事業所で在宅勤務をするためには、次の2つの条件を満たす必要があります。

1.在宅勤務の利用を希望している
2.在宅勤務による支援効果が認められると自治体が判断した

1つ目の条件は、利用者本人の希望です。
A型事業所は障害者の就労支援を目的とした事業所であるため、利用者が在宅勤務を希望する場合は、事業所がその希望を尊重することになります。

2つ目の条件は、自治体の判断です。
A型事業所は、都道府県や市区町村などの自治体から委託を受けて運営されています。
そのため、在宅勤務を認めるかどうかは、各自治体の判断が必要となります。
ここでいう自治体というのは、在宅勤務を希望する利用者が住んでいる(利用者の住所がある)自治体であり、事業所の住所がある自治体ではないので気をつけてください。

また、これらの条件以外にも在宅勤務をするルールとして「1日2回以上はチャットツールや電話などを使って連絡を取り合う」、「週に1回もしくは月に1回は利用者が通所するか、職員が利用者の元へ訪問する」といったものがガイドラインに示されており、こういったルールを元にどのように在宅勤務をしていくかを市区町村に提示し、判断を仰ぎます。

A型事業所で在宅勤務をするメリット

A型事業所で在宅勤務をするメリットには、以下のようなものが挙げられます。

通勤の身体的・精神的負担を軽減できる
障害特性による制約を軽減できる
自宅で集中して仕事に取り組める
通勤時間や交通費を節約できる

通勤の身体的・精神的負担や障害特性による制約を軽減できるため、利用者が就労活動を継続的に行うことができるのもメリットといえます。
また、自宅で集中して仕事に取り組めるため、生産性の向上につながる可能性もあります。

ただし、在宅勤務をしてみたものの上記のようなメリットが得られず、かえって生産性が落ちてしまったりストレスを抱えてしまったりする利用者が出てくることも十分に考えられます。
そのような場合は、通所に戻したり通所と在宅を併用したりといった柔軟な対応が必要となるでしょう。

A型事業所での在宅勤務で求められるもの

A型事業所での在宅勤務で求められるもの

A型事業所に限らず在宅勤務をする際には求められるものがいくつかあり、代表的なものを以下にあげてみました。

自宅での作業スペース
在宅勤務では、自宅に作業スペースを確保する必要があり、仕事に集中できる環境であることが大切です。
自宅ではなくグループホームなどの施設で在宅勤務をする場合は、利用者、事業所の職員、施設の職員とで話合い、作業スペースを確保しましょう。

インターネット環境
インターネット環境が整っていないと業務に支障をきたす可能性があるので、インターネット環境を整える必要があります。
インターネットを使わない業務だとしても連絡を取り合う際に使うことが考えられるので環境を整えるのは必須といえるでしょう。

自己管理能力
在宅勤務では、自分で時間を管理し、業務を進めていく自己管理能力が求められます。
難しく思われるかもしれませんが、在宅勤務を通して自己管理能力を身につけて高めていく意識が大切です。

自宅で仕事に集中できる環境を整えることで、業務に支障をきたすことなく、効率的に仕事を進めることができ、コミュニケーション能力や自己管理能力を身につけることで、在宅勤務でも円滑に業務を遂行することが可能となります。
さらに、定期的に事業所に通所して支援を受けることで、利用者の就労能力向上や社会参加の促進につながります。

当社の取り組み

株式会社メジャーサポートサービスの在宅勤務への取り組み

私どもメジャーサポートサービスでは、A型事業所で在宅勤務をする条件である「利用者の希望」と「自治体の判断」を満たせば在宅勤務を可能としておりますが、在宅勤務を希望する利用者が実際に在宅勤務が可能なのかを判断する基準を独自に設けています。
ここでは那覇事業所での在宅勤務をする基準を以下に記載しますので、参考になれば幸いです。

在宅勤務ができる条件

・自宅など仕事を行う場所にインターネット回線があること (月に1回は出社をする方に限りパソコンを貸し出します)

・体調不良なども含めあらゆる手段を使い事業所へ現状を伝えることができる

・業務を行う上で必要な技能を習得している、または確認することができる

上記に加え、利用者が沖縄県内の方の場合は、ガイドラインに従い週に1回もしくは月に1回は通所していただきます。

沖縄県外の方の場合はガイドラインに従った通所は困難ですので、ビデオ会議ツールを使って週に1回は面談をし、年に1回は職員が利用者の自宅を訪問します(週に1回の面談の中に月に1回の面談または通所を含む形です)。
ただし、この運用方法で自治体から許可が下りない場合がありますので、ご了承ください。

さいごに

利用者の障害特性を考慮した就労形態を検討することが大切

A型事業所での在宅勤務は、利用者の希望と自治体の判断があれば可能です。
通勤の身体的・精神的負担や障害特性による制約を軽減できるといったメリットがあり、利用者の就労能力向上や社会参加の促進に効果的な支援方法といえます。

ですが、自宅で業務を行うための環境、自己管理能力やインターネットなどを使ったコミュニケーション能力などが求められ、全ての利用者に効果的とは言い切れません。

ですから、安易に時代の流れだからといったような理由で在宅勤務を希望したり勧めたりするのではなく、利用者の障害特性を考慮したうえで最適な就労形態を検討することが大切かと思われます。

私どもメジャーサポートサービス那覇本社では体験や見学、問い合わせなどを随時受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

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