障がいを持っていると、ときとして差別を受けることもあります。
就職や、結婚など、あらぬことで壁を作られ、対話が不可能になってしまうことも少なくありません。
そうしたとき、私たちはどうすればいいのでしょうか?
今日は、
マーチン・ルーサー・キング・ジュニア牧師とともにアメリカ公民権運動を展開し、
人種差別と闘ってきたアンドリュー・ヤングさんの例を見ていきましょう。
ヤングさんはアメリカで黒人初の国連大使にも就任しています。
彼は、
「差別と向きあうとは、人間の差異を理解し、それを尊重すること」で、
「それには困難な努力が伴う」と述べています。
また、近くの人と対話することの重要性を説いています。
「私たちは、自分一人では本当の意味で人間になることはできません。
人間性とは、他者に心を開き、分かち合うことで磨かれるからです」とも述べています。
それを示すような、体験をヤングさんはされています。
それはキング牧師が投獄され、
その連絡係をヤングさんが務めていた時のこと。
白人の巡査部長は、彼らを口汚くののしっていました。
このことをキング牧師に伝えると、
「これこそ、君に課せられた問題だよ。
巡査部長とどういう人間関係を作るかだ。
いい方法を見つけるんだよ」
と言われたそうです。
翌日、ヤングさんは、巡査部長に会うと、
巡査部長のネームプレートに書かれていた名前を呼び、
「おはようございます。ご機嫌いかがですか?」と挨拶したと言います。
ここから話題は広がり、
趣味のことや出身地のことなどを語りあううちに
「友人」のような関係を築くことができたそうです。
その20年後、
ヤングさんが国連大使として演説していた町に巡査部長が現れました。
「もしあなたたちがオルバニーの刑務所でわたしと向きあってくれなかったら、
いまもかつてのような価値観で生きていたでしょう。
今日はお礼に伺ったのです」
巡査部長はおじぎしたと言います。
「わからない」ところから「恐怖心」が生まれ、
激しい差別的な行動に出てしまうのが、
人の常でしょう。
スマイルとハローでそうした差別の壁を乗り越えて、
より自分らしく生きていく環境を広げていくことが必要です。